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zoom RSS 残酷な話し

<<   作成日時 : 2008/01/10 15:36   >>

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すっかり更新をしない間にすっかりアクセスが枯れてしまいましたぁ。本年一つ目のコラムです。

その店は、宇都宮市郊外の駅から歩いて15分ほどの、商店街の外れにひっそりと建っている。60歳代も後半の老夫婦の自宅兼ラーメン店である。二代目のご主人は、高校卒業後一旦は鉄鋼会社に入社したものの、先代の病気を機に家業を継ぐことになった。暮らし向きは決して楽ではないが、それからもう40年も連れ添って、今でも仲良く商売をしている近所でも評判の、おしどり夫婦である。店はカウンターが6席とテーブル席が2つで、五目ラーメンと餃子が自慢というものの、ご夫婦の穏やかで人当たりの良い表情を見ると、何故かとても美味しく感じるものである。お客は殆どが常連客で、時折出前の注文も入る。ある日の午後、いまどき珍しいピンク色の電話がけたたましく店内に鳴り響いた。注文の電話である。『●●ビルの503ですね。はい、分かりました。ありがとうございます。』奥さんが嬉しそうにご主人に告げる。『あなた、出前の注文よ。チャーシュー麺4杯ね。』ご主人も満面に笑みを浮かべながら厨房に入る。届いた時が食べごろになるよう、ご主人は、麺を硬めに茹で上げ、冷めないようにどんぶりはお湯で温めておいた。初めてのお客様に気に入ってもらえるよう、チャーシューも端っこをいれずに大きなところを選んだ。もとダレとスープを馴染ませ、麺を入れると今度は奥さんが、メンマにチャーシュー、ナルトとホウレンソウを手際よく添えて、間もなく出来上がり、ご主人はお釣りの小銭を持って自転車で出発した。『行ってくるね』初めての客であったが、注文先は、今では殆ど入居者がいない老朽化したすぐそばのビルで、昔は多くのお客がいた場所ということもあって、迷う気配はない。ビルに到着し、503号室の呼び鈴を鳴らす。しかし、誰も出ず、ご主人は戸惑っていた。しばらく鳴らしても誰も応対せず、あきらめ掛けていたその時に、ご主人の前後を若い男達が囲んだ。男たちは無言でご主人のバックに手を伸ばした。抵抗する間もなく、先立った一人娘の手作りのバックは無残に引き裂かれ、中の財布が顔を出し、男たちは笑みを浮かべてこれを手にした。搾り出すような声で、『すいません。どうか、返してください・・・。』というのが精一杯の、恐怖で身体が硬直したご主人に対し、若い男たちは更に意味も無く、無言で殴りかかった。倒れた勢いで出前のラーメンが体にかかった。せっかく作った手作りのチャーシューや、先代から受け継いだメンマがご主人の体を覆った。熱い、痛い、苦しい・・・。ご主人は、抵抗することも無く、静かに階段に倒れた。帰りが遅いご主人を待ちわびて、奥さんが駆けつけたときには、ご主人はうつろな表情ながら意識を取り戻し、ただ小刻みに震えていた。横には、踏みつけられた出前のケースや、精魂込めて作ったラーメンが散乱していた。ご主人はノビて、麺も伸びていた。数ヵ月後、浪人生ら5名の犯人が逮捕されたが、ご主人は被害届けを取り下げた。その後、主犯格の一人を、老夫婦は店のアルバイトとして雇い入れた。罪を憎んで人を憎まず。どこまでも純粋なこの老夫婦は、今日もラーメンを作り続けている。笑顔と共に。 by tani (クライアント様から紹介の店舗で、ノンフィクション)

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